左官工事について
左官工事は歴史が古く、人類が「住まう」ことを始めた瞬間から続いています。
土・砂・水を混ぜ、壁や床をつくる技術は、古代エジプトのピラミッド、日本の竪穴住居、城や寺社仏閣にまで受け継がれてきました。
日本では土壁や漆喰が発展し、調湿・防火・耐久性といった機能美を備えた独自の文化を形成します。
近代化により工業製品が増えた今も、左官は「手仕事」でしか生み出せない質感と空気感を残し続けています。
左官とは、単なる施工ではなく、時代を超えて人の暮らしを守ってきた技術と美意識の結晶なのです。
また古代は右官、左官と言って、右官は大工さん、左官は壁・土工の専門だったと聞きます。
右官は規を守り、左官は景色をつくる。
右官は寸法で仕事を語り、左官は空気で仕事を語る。
右官が建物を支え、左官が暮らしを包む。
右官は再現性を極め、左官は唯一無二を生み出す。
右官は「正しさ」を求め、左官は「美しさ」に挑む。
両者が揃ってこそ、建築は道具から文化へ昇華する。
そんなニュアンスでしょうか。
現代ではほとんどの仕事はAIに変わると言われていますが、我々建設業の職人はまだまだAIに変わる事が出来ないと思っています。
むしろこれから伸びる仕事はAIに変われない仕事なのではないでしょうか。
しかしそんな良い仕事にも拘らず、高齢化してきていて職人の数も減っています。
今弊社では若手を育成し左官にもう一度光を灯そうとしております。
技術力が高い仕事なので、2~3年ではとても覚えられず、長い年別を掛けて技術を養うしかありません。
また仕事の種類も豊富なので、例えば住宅やマンション、物流倉庫やビルなどあらゆる現場で活躍し、それによって作業内容も違うので一生覚え続ける事が出来るとても面白い仕事と言えます。
左官の主な仕事
1・外壁、内壁の化粧仕上げ
①外壁のモルタル塗り

↑このように新築の外壁にコテを使いモルタルを塗ります。
モルタルは塗装前の下地がメインで、この段階で平滑な仕上げを求められ、技術に大きく差が出ます。
モルタルは無機質なので紫外線にはとても強いのですが、このままではとても仕上がってるように見えないので、色を付与できる塗装仕上げやタイルを貼って外観が出来上がります。
②漆喰塗り

漆喰は調質効果がとても良く、耐久性も高いです。
蔵やお城の外壁をイメージして頂くと良いです。
基本的に白漆喰が多いですが、黒漆喰もありとても美しい仕上げです。
汚れやすいという点はデメリットと言えます。
③珪藻土塗り

珪藻土も同じくコテで仕上げるものが多いですが、モルタルや漆喰と違って色んな色があり、またテクスチャーも変えられるのでオシャレな店舗の内装に向いています。
藁を入れて和風に見せたり、テクスチャーを変えて洋風にすることも可能です。
漆喰同様に調質効果があるので、通気性がよくホルムアルデヒドなどの心配もありません。
④鉄筋コンクリートの躯体補修や成形

左官職人の多くは大規模な新築、例えば鉄筋コンクリートのマンションや物流倉庫などで活躍しています。
大手ゼネコンの現場に多く配属されており、大きな規模では毎日30人くらいが稼働している現場もあります。
左官の道具はコテ
コテにも様々な種類があります。

角ごて:主に壁面に使うコテです。厚みによって使う箇所も材料も変わってきます。

仕上げコテ:内装の珪藻土や漆喰の仕上げで使うコテです。厚みにより材料や使う箇所も違います。
同じ形状で中塗りコテもあります。

レンガコテ:名の通りレンガ積みでも使いますが、材料をバケツから取る時によく使います。

ブロックゴテ:ブロックを積む際によく使うコテです。

土間コテ:土間コンクリートを押さえる時に使うコテです。

面コテ:土間の角に斜めの面を作る時に使用します。

柳刃:細かい役物を塗り付けたり角起こしに使ったりします。

ゴムコテ:タイルの目地材を入れる時に使う事が多いです。
上記は一部であり、形状やサイズ、鋼の焼き方や厚みなどかなりの種類があり、それによって使う材料も箇所も違います。
様々な種類のコテを使い分けて施工します。
価格も安いもので2000円くらいから2万くらいするものもあります。
左官職人にとってコテは大事な仕事道具であり、愛着も沸くので永く使う方が多いです。
ちなみにホームセンターで売っている安価なものもありますが、それが粗悪品である訳ではなく、使い方によっては安いものも重宝します。
